カーボンニュートラルニュース

(2025.05.01)


佐賀県が産官金連携で取り組む
「SAGAネットゼロ・コンソーシアム」
GX推進モデル企業を創出し、
事例を県内企業に広くPR

コロンブス2505
コンソーシアム全体会議での基調講演の様子

 佐賀県は2023年度、県内中小企業の脱炭素経営の推進を目指して佐賀銀行、環境省九州地方環境事務所と連携し「SAGAネットゼロ・コンソーシアム」を設立した。24年度末現在で参加団体は34となっている。佐賀県はこのコンソーシアムと連携し、GX(グリーントランスフォーメーション)に関するセミナーやワークショップを開催しているほか、企業のGXに向けた取り組み事例のPR(GXモデル企業創出事業)をすすめている。
 今年度より、GXの必要性や支援内容を発信するセミナーの開催に加えて、佐賀銀行が提供する温室効果ガス排出量可視化ツールを参加企業に実際に使用してもらうワークショップも実施、県内4カ所で2回ずつ行う。「企業がエネルギー使用量データを持参し、自分で温室効果ガス排出量を計測することでGX意識を高め、持続的な取り組みにつなげてもらう」(佐賀県産業グリーン化推進グループ)としている。
 また、GXモデル企業創出事業では、公募により選ばれた企業(23年度2社、24年度10社、25年度は2社予定)が専門家から温室効果ガス排出量の現状把握の手法や製造プロセスなどの改善点を学び、そのうえで温室効果ガス削減に向けたロードマップの作成などについても伴走支援してもらえる。これまでに、すでに温室効果ガスの削減目標に対する国際認証「中小企業版SBT」を取得した企業が4社、各製品のライフサイクル全体を通して排出されるCO₂量を表示する「カーボンフットプリント(CFP)」に取り組んだ企業が2社ある。「大手企業から脱炭素経営に対するヒアリングを受けた際にも困らず対応できた」「あらたな取引のキッカケをつかむことができた」といった声も。
 こうした事例について、県はYouTube動画なども活用してPRしている。さらに25年度からは、温室効果ガス排出量削減に寄与する設備投資のうち、先進性があり波及効果が高いものに対して2分の1を補助(上限1000万円)する設備投資モデル創出事業も行う。2~3社を公募により決定する予定で、その事例も広くPRしていくという。

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2024年2月に行われたコンソーシアム発会式にて。左から佐賀県産業労働部長の井手宣拓氏、㈱佐賀銀行専務取締役営業統括本部長の鵜池徹氏、環境省九州地方環境事務所地域脱炭素創生室長の上迫大介氏