カーボンニュートラルニュース vol.20
(2025.05.05)
日本特殊陶業㈱が取り組む
「水素の森」プロジェクト
スタートアップとの共創により
オープンイノベーションを目指す

日本特殊陶業㈱は水素社会・炭素循環型社会の早期実現に向けて「水素の森」プロジェクトに取り組んでいる。これは水素・炭素循環関連の技術開発に取り組むスタートアップの投資支援と、実験・共創の場の提供によってオープンイノベーションをはかろうというプロジェクト。具体的には、ベンチャーキャピタルのグローバル・ブレイン㈱と共同で設立したCVCファンドを通じて関連スタートアップに投資を行う(2025年4月現在、バイオものづくり開発のスタートアップなど3社に対して実施)ほか、実証フィールド「SUISO no MORI hub」に入居するスタートアップととともに関連技術・サービスの社会実装を目指す。
「SUISO no MORI hub」は、同社小牧工場(愛知県小牧市)内に設けられた総敷地面積 5000 平方㍍の施設で今年2月にオープン。現在、高純度水素の生成や水素エンジンの開発などを手掛けるスタートアップ4社が入居している。「はじめは当社の実験場として構想していたが、オープンイノベーションの可能性を求めてスタートアップも使える場にしようと考え、方針を転換した」(日本特殊陶業㈱サステナビリティ戦略室)という。入居・研究費用は基本的にスタートアップの負担となるが、同社が提供する水素などのエネルギーを一定量まで使用できるなど、インフラやユーティリティ関連の費用がサポートされる。
「投資、インキュベーション、アクセラレーション、オープンイノベーションをトータルでサポートするのが『水素の森』プロジェクト。当社がこれまで培ってきたノウハウやネットワーク、リソースを活用してスタートアップを支援するとともに、当社とスタートアップとの協業についても検討をはじめている。これらの取り組みをもとに水素社会や炭素循環型社会の実現を加速させることが目標」(同上)としている。
