カーボンニュートラルニュース vol.45

(2025.08.11)


西部ガスが地産地消の
メタネーション実証試験を開始
「クリーンガス証書」も発行する予定


 北九州市にある「ひびきLNG基地」で、水素とCO₂から都市ガス原料の主成分であるメタンを合成するメタネーションの実証試験「地域原料活用によるコスト低減を目指したメタネーション地産地消モデルの実証」(環境省公募事業)が行われている。

 参加するのは西部ガス㈱、㈱IHI、㈱JCCL、国立大学法人九州大学などで、「地域から出る原料を積極的に活用することで、メタネーションによるe-methane製造コストの低減を目指す取り組み」(西部ガス担当者)だ。

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メタネーション装置

 水素については、太陽光など再生可能エネルギーの発電量が多く、卸電力市場が安い時間帯の電気を利用して製造した電解水素と、近隣の苛性ソーダ工場で副次的に発生する副生水素を使用。

 CO₂についてはひびきLNG基地のボイラー排ガスから回収したものと、下水処理場等から回収したものを使用。実証期間中の6月から12月の間に約2万立方㍍の環境価値の高いメタン〝e-methane〟を生産する予定で、一般の都市ガスとして供給する。e-methaneも燃焼するとCO₂が発生するが、e-methaneの原料としてCO₂を回収使用するため大気中のCO₂量は増加しない。

 そのため、クリーンガス証書評価委員会が認定する「クリーンガス証書」としてe-methaneの生産量に応じて発行できるようにし、今回は㈱ブリヂストンとトヨタ自動車九州㈱などに提供するという。将来的なe-methaneの環境価値の証書取引を見据えた取り組みだ。「西部ガスでは2030年にe-methaneを含むさまざまな方法の組み合わせで、都市ガス販売量の5㌫を脱炭素化することを目標としている。e-methane導入に向けては、この実証試験で得られた知見を活かし、e-methaneの海外からの調達などとも比較しながら今後も検討をすすめていく」(同上)とのこと。

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メタネーション実証設備の全体図。ひびきLNG基地内にある